★産地：福建省武夷山★
岩茶の一種で、中国烏龍茶の中でも一級品と言えるでしょう。西湖龍井(シーフーロンジン)同様、中国十大銘茶の一つと言われています。岩茶独特の清々しくもほのかに甘い香りがして、お茶の色は赤みを帯びています。優しさと華やかさを併せ持ち、癖のない素直な飲み口は、女性たちに大変好評です。

★お茶に含まれる成分の働き★
大紅袍には、3つの有益な成分が含まれています。1つはポリフェノール、1つは多糖類、そしてもう一つはアミノ酸です。昨今話題のポリフェノールには動脈硬化の予防や、抗酸化作用があります。また、このお茶の多糖類は紅茶の3.1倍、緑茶の1.7倍です。多糖類には、免疫力を高め、コレステロールを下げる働きがあります。アミノ酸の含有量は1.1％にもおよび、脳の血液循環を促進し、記憶力を高めます。

★このお茶の淹れ方★
お湯の温度：90〜95度
茶葉の量：7〜8g
時間：一煎目　3〜5秒
　　　二煎目　5〜7秒
　　　三煎目　10秒
抽出回数：8〜9回

★伝説★
明の時代、のちの官僚が科挙を受験するために北京へ上京する途上、武夷山に差し掛かります。突然の腹痛に耐えられず、近くの禅寺に助けを求めます。すると和尚が、一杯のお茶を出してくれました。そのお茶を飲むと、腹痛は嘘のように回復して、無事上京し試験に受かることができました。
しばらくして後、皇后が重い病に倒れます。どのような祈祷も薬も一向に効き目がありません。かの官僚は、和尚のもとから例のお茶を取り寄せます。すると、皇后がそのお茶を口にすると、病は嘘のように消え失せてしまいます。それを見た皇帝は大変に喜んで、和尚に『紅い大きな長衣』を与えたのです。和尚は自ら着ることはせず、そのお茶の木の上にかけてやります。以後、その茶の木は『大紅袍』と呼ばれることになったのです。